ハノンの39番、スケール&カデンツの練習をぜひ毎日のルーティンに!

ピアノを弾く上で、スケール・和音・アルペジオといった、曲を構成する要素を自分のものにしておくことはとても大切なことです。
基本的に音楽はそういった要素の集合体なので (例外なものもありますが)、その要素を理解して実践できるようにしておくことが、曲を仕上げる為の大きな助けにもなります。

その要素を、理解の面、実践の面どちらからもアプローチできる練習がハノン教則本の中の39番のスケール(音階) & カデンツ(和音の終止形)の練習です。

この39番の練習は、慣れるまでは少し難しく感じるかもしれませんが、一旦慣れてしまえば練習のルーティンとして、一生使えるものになるのでぜひ練習に取り入れることをおすすめします!

〈ハノン39番の練習のメリット〉

ハノンの39番は、長短含めた全24調のスケールとカデンツの練習です。

この39番の良いと思うところは、全ページやることで全ての調のスケールを練習できることです。

ピアノの鍵盤上で弾くことで全調分のスケールを視覚的に把握できるので、練習しながら音楽理論の理解にもつながります。


また、1ページに【ハ長調とイ短調】、【ト長調とホ短調】というように1つの長調とその平行調の短調がまとめてあり、1ページやると平行調もセットで練習できるようになっているところも良いです。
実際の曲の中でも平行調はかなりの頻度で入れ替わりながら出てくるので、基礎練習の段階から平行調も一緒に練習しておくことはとても合理的かと思います。

また、ページを1ページ進むごとに#系の調は一つずつ調号が増えていくのですが、この順番にも意味があります。

簡単な順にわかりやすく、という意味もあると思うのですが、これは調性を理解する為の大切な【五度圏 (サークル オブ フィフス)】の順番と同じだからです。

なぜ五度圏の順番が良いかというと、五度圏を描いたとき隣同士にある調は、属調や下属調とよばれる密接な関係にある調で、実際の曲の中の転調でもよく使われる調だからです。

五度圏について詳しくはまたの機会にお話ししたいと思います。

〈どの出版社のものが良い?〉

ハノン教則本は内容がほぼ同じものが色々な出版社から出ており、基本的にお好みなものを選んで良いと思います。
一番ベストセラーで定番なものは全音楽譜出版社の『全訳ハノンピアノ教本』かと思いますが、(私はピアノ講師をやる前は楽譜屋販売員をしていたので、その経験から)
私のおすすめは音楽之友社の『ハノン・ピアノ教本 New Edition 解説付』です。こちらは分かりやすい解説もあり、見やすさの面からも独学でされている方にも良いと思います。リンクを下に貼っておきます。


〈ハノン39番の練習ポイント〉

◆少しずつ、何日かかけて全ての調を練習すること

ハノンは39番だけでも12ページある為、1日に全部やろうとするととても大変なので、1日1〜2ページやれれば十分です。それも難しい方は長調の方だけでもOKです。ただし、毎日同じ調ばかりやらないよう気をつけましょう。例えば昨日はハ長調とイ短調(これで1ページ)やったから、今日はト長調とホ短調、明日はニ長調とロ短調…というように変えていきましょう。練習の順番も、たまにはページの後ろ(ヘ長調とニ短調)からスタートし、1つずつ♭が増えていく順番に変えてやるのもおすすめです。(ちなみにクラシックの人は#系、つまり前から、ジャズの人は♭系、つまり後ろから練習する傾向があります)


◆日課にしてしまうこと

上達のためには毎日やるのが理想ではありますが、難しければ1日おきや、もっと少なくても大丈夫です。大切なのは定期的に続けていくこと、日課にしてしまうことなのでストイックになりすぎずライフスタイルに合ったペースをやりながら見極めましょう。

◆指使いはしっかり守る

スケールにおける指使いはしっかり守ることが大切です。そして少しずつでよいので指使いを覚えるようにしましょう。練習を続けていけば自然に指が覚えていくと思います。

実際の曲を弾く際は、指使いを自分で考えながら弾いていかなければならないことが沢山あります。しかし、メロディーはスケールの音を元に出来ていることも多いため、スケール指使いがしっかり自分のものになっていれば、実際の曲でのベストな指使いがおのずと判断出来るようになってきます。

指使いに慣れるまではゆっくりテンポで練習しましょう。

◆姿勢、手の形、指の動きに意識を向ける

指使いや音に慣れるまでは意識するのが少し難しいかもしれませんが、姿勢、手の形、指の動きを意識することで、指を動かす為のテクニックを習得する目的の練習としても役立ってくれます。可能な限り意識して、自分のフォームと向き合う時間になるようにしましょう。私がよくレッスンで意識するように伝えているポイントは以下です。


・猫背にならないように背筋はまっすぐ
・肩甲骨をストンと下ろして力が入らないように
・指先の『点』で鍵盤に触れるイメージで
・指の付け根を動かすことを意識する
・手首のラインが上がったり下がったりしないよう床とほぼ平行に
・指くぐり、指超えの時はひじをなるべく動かさないように

以上、ハノンの中の39番の練習の重要性とポイントをお伝えしました。

ちなみに39番以外にも余力がある方は、ぜひ41番のアルペジオ練習も取り入れながらやるとなお良いです!


ぜひ、自分に合った練習計画を作り、楽しく練習を続けていきましょう!


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ピアニスト/作曲家 梶 双葉

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ピアニスト、作曲家の梶双葉です。 演奏や音楽制作をしています。

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